椅子とテーブルだけがぽつんと置かれた広いステージに、アコギを抱え一人で現れた奥田民生。今年は「ひとり股旅」スタイルでは初となるグラスへの登場なのである。椅子に座り、ビールを嗜みながら、飄々と歌っていく民生。が、その歌声は力強くパワフルに、広いフィールドへと染み渡っていく。“愛のために”から、ユニコーン時代の“働く男”、“イージュー☆ライダー”まで名曲揃いのセット。夕方ですこし涼しくなったグラスを、まったりとした空気と感動的な「歌の力」の両方で包み込んでくれた。(柴那典)